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(浜松3)
私は岐阜県のM市で生まれた。周囲を、それほど高くはないが、山に囲まれた、小さな町である。
そのせいか、今でも、海を見ると、ウォーッと声をあげたくなるほど、感動する。実際に、そういうような声を出して、砂浜を、思わず駆け出すこともある。
今は、ハナ(犬)の散歩に、よく中田島砂丘まで行く。時間的には、夕暮れ時の海が好きだ。西日が、海の向こうに姿を消すころが、美しい。海にしても、一度とて、同じ姿のときはない。
荒い海、やさしい海、青い海、灰色の海……。
散歩に疲れると、私はいつも、流木の上に腰をおろす。おろして、ハナが、堪能するまで、ハナを自由に走らせる。
ハナは、ポインター種の猟犬。走るために生まれてきたような犬である。そのハナの走り方を見ていると、まるで、馬が走っているように見えるときがある。
私はハナの走っている姿を見るのも、楽しい。うれしそうに、かつ、軽やかに走る。ハナは、ときどき私がそこにいることを確かめるためにもどってきては、また数キロ先まで、走っていく。それを繰りかえす。
そういうとき、私は、時間が止まってしまったかのように、感ずる。ときに真っ暗になるまで、ぼんやりと、遠くの海を見ていることがある。
(05・01・15記)
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