中年から老年へ
座っていて、ふと立ちあがろうとする。そのとき気持ちだけは、立ちあがったつもりでいる。しかし体のほうが、それについてこない。「ヨイショ」といった感じになる。
そういう自分の姿が、どこか老人臭くなってきたのを、自分でもわかる。決して老人のまねをしているわけではない。しかし、体の方が、自然とそうなってしまう。
「いやだね」と思う。だから、思い切って、立ちあがる。しかしそうすると、今度は、足元がふらつく。こうして人は、老齢期を向かえ、少しずつ、老人臭くなっていく。
……と考えていたら、今日(10・2)、奥山高原で、元気な老人に出会った。年齢は教えてくれなかったが、70歳くらいか。スタスタと、山を、まるで走るような速さで登ってきた。
<IMG SRC="http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/91/0000004091/59/imgad52c67938yhbk.jpeg" width="640" height="480" alt="山で出会った老人">
見ると、両手、両足に、鉄製のアレイをはめている! 「こうしてわざと重くして、体をきたえているんですよ」と、笑った。その老人が、こんなことを話してくれた。
(1)老人になっても、老人と思うな。年齢を数えるな。
(2)健康が、第一。その健康は、自分で守るもの。つくるもの。鍛えるもの。
(3)老齢期に入ったら、趣味をもて。健康につながる趣味をもて。
(4)汗をかけ。汗をかけば、頭の働きも、よくなる。ボケない。
話すたびに、ダジャレの連発。「頭が軽いから、身も軽いね」「汗をたらしても、よだれをたらしてはいかん」などなど。そのつど、ワイフは、大笑い。私も、笑った。
中年期から、老年期への、移行がむずかしい。この時期、人は、肉体的にはもちろん、精神的にも大きな転換期を迎える。この時期の過ごし方で、それ以後の過ごし方も、決まる。
よい人に出会った。私はその人を見て、「ようし、ぼくも、がんばるぞ!」と思った。最後に、私が、「現役時代の職業は何ですか?」と聞いたら、「民間企業のサラリーマンだよ」と教えてくれた。

そうそうその人は、こうも言った。
「ワシは、若いころ、パチンコで何百万円も、すった。バカだったね。あんなものに、時間と金を使って……。それでに、あんたより、2、3歳若いころ、スキー用具を一式買って、スキーに挑戦したよ。で、ちゃんとすべれるようになったよ。
スキー用具なんて、パチンコとくらべると、安いものさ。いいかね、あんなものを趣味にしてはいかんよ。人間は、健康が第一。健康こそがすべて」と。
私が写真をとると、「写真は、嫌いでね」と笑った。その人の写真は、R天の日記のほうに、載せておくことにする。無断で、載せて、すみません。
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