運動不足を解消するため。
なまった体を、しゃきっとするため。
ほんやりとした頭を、すっきりさせるため。
今日は、1万歩を歩いた。
自宅から、市内の教室まで、ちょうど1万歩。
正確には、大またで歩いて、ちょうど9911歩。
時間は、あちこち、寄り道をして、約1時間半。
距離は、直線距離ではかって、6・5〜7キロ弱。
家を出るとき、ワイフが手を振った。
私も手を振った。
春のどかな、やさしい日差し。道を出るとすぐ、
第二公園のサクラの花が目に飛びこんできた。
公園には、数組の母親と赤ちゃん。
さっそく写真をとる。バジャリ、バジャリ。
この音がよい。C社のデジタルカメラは、好きなシャッター音を選べる。
私は、30年くらい前のカメラの音が好き。何というか、腹に響く。
それからN病院のそばを通り抜けて、佐鳴湖へ。
このあたりは、住宅雑誌から飛び出したような家ばかり。
いつも「どんな人が住んでいるのだろう」と思う。
そう思いながら、通りすぎる。
と、やがて佐鳴湖。
サクラの花は、満開をすぎて、散り始めていた。
若葉の緑がまぶしい。美しい。
その佐鳴湖の南側に沿って歩く。
空は水色。それを受けて、湖面も水色。
遠くに、しゃれた家々。そして青い山々。
そこからゆるやかな坂をのぼって、静かな住宅地。
私はこのあたりの住宅地が気にいっている。
本当はこのあたりに住みたかったが、当時はお金が足りなくて、
今の家にした。当時から、このあたりは、高級住宅地。
そこからは細い路地をいくつか通りぬける。
途中、旧・雄踏街道へ入る。「ゆうとうかいどう」と読む。
車が1台、やっと通れる程度のハバしかない。
昔は、ここを乗合バスが走ったという。
道も狭いが、バスも小さかったのだろう。
そんなことを考えながら、大通りへ出る。
そこには、行きつけのY書店がある。
そこで一休止。今日は、うしろの出入り口から中へ。
ここまでで、ちょうど、5000歩。
心地よい汗、ほどよい足の疲れ。ここからは町まで、
あと、5000歩。
しばらく何冊か本を、立ち読み。
日本では、図書館が充実しないのは、こうした書店があるからだそうだ。
外国には、ない。
若いころ、オーストラリアで、その書店をさがすのに苦労をした。
一方、日本では、立ち読みは、し放題。
書店にしても、汚れた本は、出版社へ返本すればよい。
最近では、その立ち読みを奨励する書店まで出てきた。
テーブルと、イスまで、置いてある。
しかし本を書く側の気持ちとしては、うれしくない。
ただで読まれるというのは、どうも気分が悪い。
そう言えば、私のマガジンは、無料。ただ。
気前のいい話だと、自分でも、そう思っている。
まあ、読んでもらえるだけでも、感謝しなければならない。
これだけ情報が氾濫(はんらん)してくると、
本といっても、そこらに散らかっている広告のようなもの。
で、その書店を出て、雄踏街道に沿って、町まで歩く。
途中で、N高校の坂をのぼり、つづいてN中学校の坂をぼのる。
こうしてそのまま旧市街地に入る。
いつもは自転車で走りぬけるが、ダラダラ坂になっていてい、
けっこう、きつい。体の調子のよくないときは、歩いてのぼる。
そして坂を登りきると、こんどは、ゆるいくだり坂。
途中に、鴨江の旅館街、そして鴨江観音。
実は、今日はここまでがたいへんだった。途中で小便をしたくなった。
が、コンビニはなし、店はなし……。
その鴨江観音を出たところに、公共のトイレがある。
何も考えず、そのトイレへかけこむ。
そこから教室までは、もうすぐ。数百メートル歩いて、左折。
教育文化会館があり、その前が公園。
ここまでくると、私の教室が見えてくる。
汗がじんわりと体を濡らす。疲れがどっと出る。
05・04・14記
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